第279話一人に希望を託せない

「明日、具合が良くなって外に出たいなら、友だちに会わせてあげる。いい?」

ダニエルは、ゾーイが自分がエメラルド・シティにいると知っていて、すでにこちらへ向かっているなど、知る由もなかった。

このとき彼は、エミリーを車椅子でホテルまで戻していた。エミリーは疲れた顔をしていたが、目だけはやけに輝いている。どうやら仕事の話をすることに、相当興味があるらしい。

だからこそ、彼はそんな提案をしたのだ。

エミリーは、ダニエルが誰に会わせるつもりなのか気になったが、ほかにすることもないし、向こうがそう言うならと、断りはしなかった。

「いいよ!」

エミリーは同意した。

エミリーの疲れた様子を見て...

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